流域治水に関する講習会を開催しました。

令和6年3月18日(月)、帯広市のとかち館において流域治水に関する講習会を開催いたしました。
流域治水とは、気候変動による水災害リスクの増大に備え、流域全体のあらゆる関係者が共同して水災害対策を行う考え方であり、国土交通省ではこの考えに基づき、①氾濫をできるだけ防ぐ対策(雨水貯留機能の拡大・ダムの建設・河道掘削等)、②被害対象を減少させるための対策(堤防の整備により浸水範囲を減らす・浸水リスクの高い地域の土地利用規制や浸水リスクの低い地域への移転支援等)、③被害の軽減、早期復旧・復興のための対策(土地の水害リスク情報の充実・被災自治体の支援体制充実・避難体制強化等)をハード・ソフト一体で多層的に進め取り組んでおります。
弊社は、国土交通省流域治水オフィシャルサポーター事務局より流域治水オフィシャルサポーターとして認定されており、認定企業として流域治水の内容を関係者に周知するために、弊社の顧問であり、水文・水資源学会副会長や国土交通省水管理・国土保全局「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」委員等を務められている山田 正先生(中央大学名誉教授)と山田 朋人様(北海道大学教授)をお招きし、講習会を開催することといたしました。
講習会には、弊社役職員や協力会社役職員約120名が参加しました。講習会では、山田正先生より「これからの治水対策と土木技術者への期待」と題し、ニューヨークで視察したウォーターフロント型沿川都市再開発をはじめ各国で行われている流域治水の取り組みや、流域の関係者間の負担のバランスなど流域治水を推進していくのに必要となる事柄などについて講演していただきました。次に山田朋人様より「風水害分野におけるリスク情報による防災行動の促進ー内閣府SIP スマート防災ネットワークの構築(サブ課題B)」と題し、北海道は日本で最も気候変動の影響を受けやすい地域であり、全国に先駆けて気候変動の予測を踏まえた治水計画の必要性や、個人・企業が科学的根拠を有するリスク情報に基づいて防災行動をジブンゴト化する地域社会を構築する事の重要性について講演していただきました。
弊社といたしましては、防災企業として、また流域治水オフィシャルサポーターとして流域治水の考え方を広く周知し、関係者と連携して水災害対策に取り組んで参ります。

執行役員防災対策部長  稲船 晃

流域治水についての説明はこちら(国土交通省HP「流域治水」の基本的な考え方)