沈木工
1.概要
沈木工は、現場で支障となる立木を枝・根付きの状態で、根固めブロック上の計画河床高さに布設し、マニラロープにより固定配置する事で、護岸法面側の河道流速を制御し、計画河床の土砂洗掘を防止すると共に、沈木工配置により川の瀬・淵を人工的に作り、魚類にとって生息しやすい環境(魚巣)を作り出す、自然回帰を促進する多自然型工法です。
2.特徴
- ①廃棄物リサイクルによる現場内ゼロ・エミッション効果
- 当工法は、現場で支障となる伐開箇所の立木を枝・根付きの現存状態で、現場内利用するので現場から発生する廃棄物(伐開物)の減量化(リデュース)・廃棄物(伐開物)の再使用化(リユース)により、施工条件があえば、現場内ゼロ・エミッションが期待される工法です。
- ②隠し護岸土砂洗掘・流出防止効果
- 沈木工を根固めブロック上の計画河床高さに布設する事で、護岸側に流れる河道の流速を抑え、河床や隠し護岸で覆土した土砂の洗掘・流出防止効果があります。
- ③自然回帰促進効果
- 沈木工の考えとして、元々現地にあった立木を、形状等変えずに現場内利用するので、自然豊かな景観を損なう事無く施工する事が出来ます。又、沈木工を河道に対し垂直・平行配置する事で人工的に川の瀬・淵を作る事ができ、魚類にとって生息しやすい環境(魚巣)を作り出して、工事完了後も元々生息していた魚類・植物等、生態環境回帰の促進効果が期待される工法です。