オープンピット工法
1.工法の概要
オープンピット工法は、自走機能を持つメッセルシールド機の開削型を用いて掘削・基礎・カルバートの布設、埋戻の各作業を連続して行う画期的な管渠埋設法です。
シールド機は、地山とメッセルの摩擦抵抗を反力として油圧ジャッキの推力で自走し、布設後のカルバートに一切影響を与えません。
狭い場所、交通量の多い道路、商店街・病院・学校・鉄道の沿線など在来工法では施工困難な条件下で大きな威力を発揮しています。
2.掘進手順
1.メッセルの貫入
メッセルジャッキの伸びで、両側メッセルを上より順次切羽に貫入します。
2.掘進
バックホーにより掘削したあとボトムメッセルを推進します。次に全メッセルジャッキを縮み入れ、フレームを引きつけます。
3.埋戻
シールドの掘進と並行して後方では埋戻が行われます。
4.管の据付
管長分だけ進んだ処で、シールドテール部にて、基礎カルバートの据付を行います。
3.工法の適用範囲
- 土質条件N値ゼロの軟弱地盤から軟岩層まで対応します。
- 地下水水位が高い場合にはウェルポイントが多く用いられています。
- 掘削断面幅、深さとも制約はありませんが、バックホーの機能が1つの目安となります。
4.工法の特徴
- 1.無振動・無騒音の土留工
- 音源があるのはバックホーのエンジン音だけです。振動はまったくありません。商店街、住宅地域、地下埋設物の接近した箇所でも安心して作業ができます。
- 2.作業スペースが飛躍的に減少
- 在来工法では開口部が大きく、広範囲に占有していました。オープンピット工法では掘削と埋戻作業が連続的に秩序正しく行われるため、必要最小限のスペースで実施できます。
- 3.施工が早く工期を大幅に短縮
- 施工期間は、在来工法と比較して1/2~1/3で実施されています。また掘進に伴って開口部が移動するため、沿線住民への影響も少なく短期間ですみます。
- 4.シルトから砂礫まで幅広い地山に適応
- N値ゼロの軟弱シルト層から杭打ち不可能な転石・巨礫層に至るまで数多くの実績を持ち、特に土質条件の制約を受けません。また掘削と埋戻が同時施工のため地山のゆるみも少なくすみます。
- 5.工事延長が伸びるほど高い経済性
- 一定施工距離(200~300m)を超えるにしたがって在来工法と比べ経済性にも優れています。
- 6.簡単な機械操作と安全
- 施工シールドの推進は、全油圧機構のワンマンコントロールです。誰にでも簡単に操作でき熟練を要しません。さらに強固なフレームとメッセルが、安全施工を保証します。